食欲とは、人間を始めとする生物が、生命維持に必要なエネルギーを取り込むために、何かを食べたいという思う欲求の一つですが、この本能的な食欲と、視覚や嗅覚、味覚などの感覚が刺激されて起こる精神的な食欲があります。

元々大脳の視床下部には、食欲をコントロールする食欲中枢が存在します。更に、食欲中枢は空腹を感じ食物を体内に取り込もうという指令をだす摂食中枢と、十分な栄養が行き渡ったので食べ物の取り込みをやめるという指令を出す、満腹中枢の2つの中枢に分けられます。

満腹中枢と摂食中枢が同時に満たされ、うまくバランスをとることで食欲が正常な状態を保ちます。しかしどちらか一方でも乱れると、食べたいという欲求が収まらないので過食に走ります。

そして、胃の中が空っぽの時に胃が収縮すると、迷走神経という伝達神経が摂食中枢を刺激して空腹を感じますが、食物を摂取すると消化のために胃液が分泌されて、胃が伸縮をすると迷走神経が満腹中枢を刺激して、満腹を感じるのです。

また、食事を取ると血糖値が上がり、エネルギーが十分補給されたという信号が満腹中枢に届くため、満腹になりますが、体内のエネルギーが減少して血糖値が下がると、皮下脂肪を分解して脂肪酸をエネルギーに変えようとするため、血液中の脂肪酸が今度は摂食中枢を刺激して、空腹感を覚えるという仕組みになっています。

更に、寒さが皮膚に伝わると体は本能的に体を守ろうとして食欲を増進させるし、一方体温が上昇する夏は摂食中枢が抑制されて食欲が減退するのです。そして、美味しい料理を見たり美味しそうな匂いを嗅いだり、料理を作る音が聞こえると視覚や聴覚、嗅覚が刺激されておなかがさほどすいていなくても、食欲が増進することがあります。

このように食欲とは、体内の様々な物質や外部からの刺激によって抑制されたり、増進したりする欲求であることがわかります。


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